PC史上で新しく発売されるPCで話題になるのは、もはやほとんどがAppleのMacBookシリーズくらいしか無いこのご時世ですが、久しぶりにPC市場で話題を集めたPCが発売されましたよね。
それは、ドン・キホーテの情熱価格ブランドで発売された激安ノートPC『MUGA』。
その価格はなんと19800円!
牛丼換算で56杯分です!
怪しい中華系のメーカーでもその価格で新品は出せないような、本気の激安PCでございますよ!
(といってもMUGAは、KEIANという中華メーカーのOEM商品だそうですが)
他のメーカーでもクラウドブックというジャンルのノートPCが激安価格で販売はされていますが、1万円台で買えるのはこれが初でしょう。
価格が14800円になっても買いません。
1万円になったら…、それは買う(笑)
あと、PCが初心者の方にも、これは絶対におすすめできませんし、逆にPCが初心者こそ買わないでほしいかなと。
スペックはまぁ値段的に良しとしよう!モニタは凄い!
このPCのスペックは以下のとおりです。
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Atom x5-Z8350 |
メモリ | 2GB |
ストレージ | eMMC 32GB |
液晶モニタ | 14.1型ワイド フルハイビジョン IPS 非光沢 |
質量 | 約1.2kg~ |
バッテリー | 約7時間(10000mAh) |
LTE | 非対応 |
Bluetooth | あり |
無線LAN | IEEE 802.11b / g / n |
重量 | 1200g |
という感じです。
Windows10をメモリ2GBは厳しいかなと(汗)
もちろん、あくまでメモリですので2GBでも動くには動きますが、あくまで「動く」というレベルのもので、それなりの作業をするのであれば結構ストレスを感じるような気がします。
最低でも4GBはほしいところですが、本体一体型なので増設はできませんし、かといってメモリ4GBのもでるも用意されていないみたいです。
eMMC32GBというのも普通にツライ。
32GBあれば、初期状態では意外と容量にもまだ余裕があって、データはmicroSDやクラウドに保存しておけばそこまで足りないと感じたことはないのですが、1回でも大きなアップデートをしてしまうと一気に厳しくなってしまいます(汗)
これは僕が愛用しているクラウドブックのHP Stream11 y-000を使ってかなり痛感しています(T_T)
しかも増設も換装もできませんよ。
あと、eMMCは基本構造がSDカードみたいなもので、HDDよりかは多少は読書速度に優れているかもしれませんが、SSDに比べるとまったくの別物というくらい遅いです。
本体スペックの方はよくあるクラウドブックレベルのもので、それでも19800円であるなら妥当というところです。
僕が驚いたのは、液晶ディスプレイの方です。
液晶パネル、パネェ!
これ、かなり革命的というか、むしろ19800円で買えていいレベルじゃないですよ!
ほかのどこの有名メーカーの格安クラウドブックを比べても、フルハイビジョンのIPS液晶を搭載しているモデルはほとんどありませんよ!!
ぶっちゃけ言うと、MUGA本体はいらないけれど、液晶モニタだけ単品でデスクトップ用に作ってくれたら、サブモニタ用として19800円出してでも買いたいです。
いや、ほんと、液晶は羨ましいです。
あと、個人的な好みとして液晶モニタの天板の裏がメーカーロゴが入っていない無地なのは個人的にいいなって思います。
だいたいノートPCは、フルーツマークなりヒットポイントなりのロゴが入っていますよね?
・・・あれ、あまり好きじゃない(笑)
とくにフルーツ型に光るやつ。
ブランドロゴがない超すっきりな天板は、個人的に最強ですよ。
個人的には、俺様グッドデザイン賞を差し上げたいところです。
といても、塗装のシルバーが安っぽすぎて、あれですが。
初心者にドンキのMUGAを勧められないわけ
これだけ安いとなると、これからPCを使い始める子供たちや、ご老人の方々に最適なのではという感じですが、僕はそんな初心者にこそこのMUGAを買い与えるわけにはいかないと思います。
その理由は2つあります。
まずはスペック。
こういうクラウドブックは、これはこういうものだと割り切って使ったり、おもちゃとして使う中級者上級者の方であればいいのですが、初心者にはちょっとなと。
まずスペック的に使っている限りは間違いなくストレスが溜まってくるレベルであろうし、下手すりゃスマホのほうが速いなんてこともきっとあるかと思います。
そこでそのストレスを感じて「パソコン」というものに絶望するかもしれないという不安があります。
大丈夫、これはちょっと特殊なやつだけれど、ちゃんとしたお金を出せばもっとストレス無く動くものが存在するから。
そんなそこそこにお金を出していいパソコンを買って、あなたの中に眠る作品や思いを紡ぎ出して、この世界に出してほしいと思うんだ。
もしかしたら、このPCを与えてしまったがために、せっかくPCを使ってものづくりする才能が眠っていたのに、それを潰してしまうかもしれないという心配だって出てきますよ。
とくに最近は若い人で、物心ついたときからスマホに触り慣れていて、逆にPCを使うことができないという問題があるそうですが、これがその問題を加速する事になってしまっては罪深いですからね。
(MUGAひとつでそこまでには至らんだろうけど)
そして、特殊すぎるキーボード
僕はキーボードを叩いてこうしてブログを書いたりしているわけで、ぶっちゃけスペック以上にキーボードに対して並々ならぬこだわりを持っています。
デスクトップPCのキーボードも10種類前後のキーボードを実際に使って、その中から一番気に入ったものを使用しているくらいですからね。(Logicool K810)
このドン・キホーテの激安PCのキーボードはどんなものかというと…
キーピッチとか打鍵感とかそういうレベルじゃなく、配列が色々とカオスすぎます!
というのも、これはもともと英語用のキーボードが搭載されているもので、わざわざ日本語用のキーボードをつけて開発するとなるとコストがかかるだろうから、無理やり英語用のキーボードに日本語の印字をつけて販売しているものになります。
とくにEnterキーが、よくある「右端にドカンとあるデカイヤツ」ではなく、横長のものになっているので、なんとなく感覚でEnterキーをパチコンと弾く人には使いづらいことこのうえないですよね。
そして、漢字かなへの切り替えキーが「Space+Function」になっていることがこの上なくカオスですよね(汗)
ある程度日本語のキーボード操作に慣れている人がこれを使ったらパニックを起こすのは間違えないとは思いますし、逆にこのPCのキーボードに慣れてしまっては、他のPCを使った時にパニックになるだろうということを心配しました。
大丈夫、これはちょっと特殊なやつだけれど、ちゃんとしたお金を出せばもっとストレス無くタイピングできるものが存在するから。
キーボードのタイピングはMac←→Windowsを交互に使っても、そこまで違和感があることはありませんが、この特殊な英字キーボードに慣れてしまうと、あとあと厄介そうです。
スペック以上にキーボード問題こそが、このドンキホーテの激安ノートPCである「MUGA」を初心者に勧めてはいけない理由です。
オススメできいないではなく、ススメちゃいけないやつです。
初心者のPC入門用に買ってあげるのであれば、MUGAではなく中古の同価格帯のビジネスノートでも買ってあげれば、スペックもまだまだまともに動きますし、キーボードもちゃんと日本語用のやつでしょうからね。
とはいえ、今回はあくまでこのMUGAは初心者にオススメしちゃいけないという観点からであって、KEIANという中華メーカーのOEM商品であったとしても、この価格でしかもフルハイビジョンのIPSディスプレイを搭載したPCを発売してくれたドンキホーテさんは凄いのは間違えありません。