小学5年生の時に初めてX JAPANを聴いてそれ以来ずっとファンの僕。
ファンであるにも関わらず、そのX JAPANのボーカルであるToshlさんが、2014年に「洗脳 地獄の12年からの生還」という、MASAYAことホームオブハートによる洗脳される前から洗脳を脱した後までの自伝を出されていたのを今更ながらに知ったので読んでみました。
とにかく生々しく痛々しい洗脳の日々
これはToshlさん自らが筆をすすめて書いたのか、インタビューを元にライターさんが書き起こしたものなのかはわかりませんが、とにかく面白くて最後まで一気に読み進めてしまいました。(面白いと言っては失礼かもだけど)
特に僕は、X JAPANの解散からToshl(当時はTOSHI)の洗脳報道とかもリアルタイムで知っていましたし、さらには洗脳中のTOSHIの生コンサートにも1回見に行っていますので、より入り込んで読むことができましたね。
洗脳されるまでの元凶となる元妻との出会いから、洗脳されるまで。
Toshlがどのような過程を経て洗脳されていったのか。
X JAPAN解散から、2010年に洗脳が解けるまで、どんな生活をしていたか、MASAYAや元妻からどんな酷い仕打ちを受けていたか。
そしてどのようにして、洗脳状態から解放することができたのか、すべて書いてある。
とくに、洗脳されている1998〜2010年の12年間に、MASAYAや元妻からこんなにも酷いことをされているのにおかしいとは思わなかったのかと思うかもしれないが、やはり洗脳されているからこそどんな酷いことをされても自分の中で正当性を見つけるのだろう。
個人的にそうだったのかぁとなったところは、ToshIを洗脳し、最高の金づるとして利用していたホームオブハートに対して、Toshl自身が疑念を抱き始めたところ。
最初はX JAPANのことを悪の権化だ、あんな集団からははやく離れなさいとあれだけ煽り立てていたのに、X JAPANの再結成は金になると感じたMASAYAが、「ぜひ再結成しなさい」と言ったところでToshlが「やっぱり金かよ…」と疑念を抱き始めるわけです。
そこから、YOSHIKIを始め、様々な人との交流によって自分は洗脳されていたことに気づいたわけですが、だからといって「もう辞めます!」と、簡単には逃してくれなかったところが痛くて仕方がなかったです。
暴力や脅迫を受け、挙句の果てにはX JAPANのボーカル録りのレコーディングスタジオまで追ってきて、レコーディングが終わるやいなや拉致監禁までされていたみたいですし。
逃れように簡単には逃げさせてくれないというのが、組織的な洗脳の怖いところだと感じましたね。
ホームオブハートにしても、「元X JAPANのボーカル」という最強の金づるでしたからどうしても逃したくはなかったわけです。
でもそこからは、命の恩人とも言える人との出会いや、YOSHIKIとの再会でなんとか逃れることに成功したのです。
そういえば、Toshlが洗脳されるになった原因として、X JAPANでのレコーディングによるストレスからでもあり、洗脳から脱することができたキッカケも、X JAPANの再結成という、ね。
あのときToshlはなにを思っていたのか、何を考えていたのか?
X JAPANのファンとして、読んでいて面白いと思ってしまったのは、あのときToshlは何を思っていたのかということ。
1997年の解散ライブが始まる前、実はToshlはメンバーとのことよりも、MASAYAや鬼嫁にあれこれ言われないか怯えていたということをこの本で読んで始めて知った。
再結成ライブの時もまだ洗脳が完全に解けているわけじゃなかったので、あの華々しい豪華なライブの前日も、地味にドザ周りをさせられていたことや、終わった後もお金のないToshlはコンビニで買ったものを食べて、安いビジネスホテルに帰ったことなども知った。
コンサートの映像などが残っているので、このライブのときはそういうことが…という目線で見られるようにもなりますからね。
あと、Toshlの脱退をメンバーに報告するとき、温厚なHIDEが怒って最後まで反対していたというのも知った。
すでにソロとしてもじゅうぶんにやっていけるだけの人気のあるHIDEなのに、どれほどまでにX JAPANを愛していたがよくわかるエピソードでしたね。
X JAPAN再結成は悪徳プロモーターのおかげだった
X JAPANの再結成には、Toshlの個人事務所の元社長が勝手に話を作って持ち上げたというのがキッカケだったみたいですね。
Toshlには「YOSHIKIが再結成したがってるよ?」と話をもちかけ、YOSHIKIには「Toshlが再結成したがってるよ?」とそれぞれに勝手に話を持ちかけという感じ。
なんだかんだでその後、Toshlのほうから8年ぶりにYOSHIKIに連絡をいれて、アメリカで再開して「やっぱりアイツが勝手に言ったことだったのか…」ということで一旦話は落ち着いたけど、あれやこれやでYOSHIKIとToshlが再会して再結成したのもまぁ、その竹田という悪徳プロモーターのおかげでもあるといえばおかげなのか(汗)
とにもかくにも、Toshlの「洗脳 地獄の12年からの生還」は純粋に興味深く読めますので、X JAPANのファンの方でなくとも、「あー、あの洗脳されてたというボーカリストの・・・」という感じでもいいので読んでみるといいかと思います。
洗脳から自分を守るという意味でも、悪い奴らはこういう手口を使ってくるというのも知ることが出来ますからね。